日刊工業新聞掲載日 2013年11月12日
旭化成は2014年に殺菌効果のある紫外光LEDの量産試験ラインを新設する。年産能力は非公表だが、富士支社(静岡県富士市)に数十億円を投じて初期量産に対応できる設備を導入する。水銀灯に比べ環境負荷が低く、長寿命・小型化できる。工場のクリーンルームなどで使う純水の生成、飲料水や医療機器の殺菌向けなどに用途を拡大。20年度に売上高300億円を目指す。
従来型に比べ環境負荷が低い(ピンセットでつまんでいるのが紫外光LED)
量産試験を始める紫外光LEDは、波長が280ナノメートル未満の紫外光(UVC)を発し、空気や水の殺菌のほか、紫外光を使って物質の量を調べる用途に使う。基本材料は11年末に買収した米国のベンチャー企業「クリスタル アイエス」(CIS)から調達。富士支社で製品化した後、国内や欧米の水処理装置メーカーなどに出荷する。
旭化成は紫外光LEDの事業化に向け総額100億円の投資を決めている。まずは水質監視装置向けで実用化した後、純水の生成向けとしての供給を目指す。
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