日刊工業新聞掲載日 2013年12月06日
積水化学工業は2014年2月に曲げられるフレキシブルリチウムイオンバッテリー(LIB、写真)の製造ラインを設置し、14年夏にサンプル出荷を始める計画を明らかにした。試作と量産の中間に位置する中規模ラインとして試作機のある茨城県つくば市の拠点に設置する。連続塗工など独自技術を採用し、生産性を一般的なLIBセル製造の約10倍に引き上げる。曲げられるうえに現行品の約3倍の容量密度を実現したことから、スマートフォンなど搭載先の小型化につながる。
15年度に商業生産を始める。生産能力はまだ明らかになっていないが、セル面積で年間1000万平方メートル以下の見通し。投資額は10億円未満。セルを積層したモジュールとしても販売したい考え。
主流の電解液系LIBでは真空注液工程に製造コストがかかるが、独自開発のゲル状ポリマー電解質を用いて連続塗工を実現し、生産性を10倍に向上。負極材にケイ素系を用いたことでバッテリーセルの容量は現行品の約3倍の1リットル当たり900ワット時となる見通し。
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容量が高いのはいいけれども、気になるのは負極にケイ素を用いていること。
リチウムイオン電池の場合、容量が増えると電池の安全性は低下する。
ケイ素の安全性は決して高くない。旨く使うのが難しいだろう。
もうひとつ気になる点がある。自己放電はどうなのだろうか。
Grでできたことが、新材料にすることでできなくなったりしないだろうか。
こういった点もクリアできているなら素晴らしい商品だと思う。
全面的に売り出すべきだ。あとは、ゲルポリマーはどうしても低温特性が悪い。
低温でどれだけ実力が出せるかというところが商品の腕の見せ所。
フレキシブルな構造というのは、凄く面白いのでガンバってほしい。
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