日刊工業新聞掲載日 2013年11月05日
日立製作所は鉄道車両向けの省エネ型インバーター(電力変換装置)を2015年度に商用化する。次世代材料として注目されるSiC(炭化ケイ素)を使ったパワー半導体を搭載。既存品に比べ電力損失が3割超低減できるという。すでに鉄道事業者などへの納入が内定している。日立は自社で車両を手掛けており、基幹部品とのシナジーで鉄道事業の拡大を狙う。
パワー半導体はダイオードにシリコン、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)にSiCを使った「ハイブリッド型」。インバーターは直流1500ボルトの架線対応で容積と質量も約4割小型化できる。
現在、実用化に向け電気品とデバイスのすり合わせを進めている。SiCパワー半導体は子会社の日立パワーデバイスが開発した。量産投資が必要なチップについては外部委託も検討しており、内製するか来年初めに結論を出す予定。
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