日刊工業新聞掲載日 2013年12月05日
【京都】ローム、アクアフェアリー(京都市西京区)、京都大学の平尾一之教授は共同で、定置用の固体水素源型燃料電池を開発した。水素発生源となる固体燃料の改良によって水素を24時間連続して発生させることが可能。燃料の交換が1日1回で済むため、山間部など電源の確保が容易ではない地域での使用を見込んでいる。3者はすでに可搬式の固体水素源型燃料電池を開発済み。
アルミニウムを使った水素の発生実験
固体水素源型燃料電池は、水素をためるのではなく、その場で水素をつくるのが特徴。従来の鉛やニッケルなどの水素吸蔵合金を用いる蓄電池に比べて軽量化が図れる。
開発した燃料電池は、燃料に金属アルミニウムと水酸化カルシウム(消石灰)粉末を固形化したものを用い、アルミニウムの腐食反応で水素を発生させる。燃料を固体にする際にナノ技術を使って特殊な形状にすることで、水素を24時間連続でゆるやかに発生させることができた。反応率も95%以上を確保し、実用レベルを達成した。燃料カートリッジを電池本体にセットするだけで簡単に発電できる。
[0回]
PR
COMMENT