(1)円:x^2+y^2 = 4 に点(2,4)から引いた接線の方程式を求めよ。(関西医科大学)
(2)円:x^2+y^2 = 1…①と円(x-3)^2+(y-4)^2=r(r>0)…②がある。この二円が二点で交わるためにrが満たすべき条件を求めよ。(久留米大学医学部)
(3)(2)の二円の交点を通る直線の方程式を求めよ。(久留米大学医学部)
典型的な図形と方程式の問題です。こういう問題が解けるか否かが数学の基礎力だと思います。
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(1)点(2,4)を通る直線の式を下記①式のように定義する。
ax+by+c = 0…①(a,b,cは実数であり、a,bの少なくとも一方は0ではないものとする)
①は、(2,4)を通るので②式を満たす。
2a+4b+c = 0⇔c = -2(a+2b)…②
②を①に代入すると、下記のようになる。
ax+by-2a-4b=0…③
(ⅰ)a=0、b≠0のとき、y=4となるがx^2+y^2 = 4 と解をもたないので不適。よってa≠0
(ⅱ)a≠0、b=0のとき、x=2となるがこれは円と(2,0)で接している。よってx=2は接線である。
(ⅲ)a≠0、b≠0のとき、点と直線の距離の公式より
|2a+4b|/√(a^2+b^2)=2
|a+2b|/√(a^2+b^2)=1…④
ここで④式の両辺を二乗すると下記⑤式が成り立つ。
a^2+4ab+4b^2 = a^2+b^2
3b^2+4ab=0
b(3b+4a)=0…⑤
⑤よりb≠0なのでa=-3b/4となる。この値を③式に代入するともうひとつの接線である⑥式を得る。
-3bx/4+by-2(-3b/4+2b)=0
-3x+4y-2(-3+8)=0
-3x+4y-10=0
3x-4y+10=0…⑥
以上より、求める接線は、x=2 or 3x-4y+10=0である。
注:y=m(x-2)+4とおきたい気持ちもわかるが、x=2という解が探せない。
ax+by+c=0のほうが直線を一般的に表現できるし、確実に解を探せるのだ。
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(2)証明に入る前に:
二円が交わる条件ってのは一つのパターン問題。知らなければいけないのは円の位置関係と中心間距離の関係である。詳細は下記のページに詳しく書いてある。
⇒http://dac.gijodai.ac.jp/it-con/h16_sakuhin/ippan/ippan3/math/3grade/circle/circle4.htm
二円が交わる条件の不等式を証明するためには三角形の二辺の和の性質を理解する必要がある。
⇒http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1161212446
以上の前知識があれば簡単に解ける。
二円の中心点は(0,0)および(3,4)であり、その距離dは点と点の距離の公式より下記の通りになる。
d=√{(3-0)^2+(4-0)^2}=5…①
更に二円が交わる条件より、下記は自明。
|√r-1|<d=5<√r+1…②
ここで、|√r-1|<dの解を考えると、下記③、④のようになる。
√r<1のとき、1-√r<5⇔-4<√r<1…③
√r≧1のとき、√r-1<5⇔1≦√r<6…④
一方、d=5<√r+1の解を考えると、下記⑤のようになる。
5<√r+1⇔4<√r…⑤
よって条件を満たすrは、下記⑥の時に限られる。
4<√r<6
16<r<36…⑥
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これもある意味パターン問題。詳細は下記を参考。
http://www.geisya.or.jp/~mwm48961/kou2/circle_brief4.htm
二円の交点を通る図形の方程式を下記の式で定義する。
(x-3)^2+(y-4)^2-r - k(x^2+y^2-1) = 0
k=1の時、図形は直線となるので、代入すると
-6x+9-8y+16-r+1=0
6x+8y+r-26=0…⑦
となる。以上より、⑦式が条件を満たす直線の方程式である。
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