日刊工業新聞掲載日 2013年10月17日
物質・材料研究機構ハイブリッド太陽電池グループの本田充紀研究員(現日本原子力研究開発機構研究員)、柳田真利リーダーは、色素増感太陽電池の色素吸着構造を分子レベルで解明することに成功した。色素増感太陽電池は色素の光吸収を利用する有機系太陽電池。安価で軽量のため、次世代太陽電池として普及が期待される。ただ、変換効率が12%程度と無機系太陽電池の半分程度のため、変換効率の向上には吸着構造の解明と制御が重要だった。
色素増感太陽電池は、酸化チタンなど多孔質の半導体層に増感色素が吸着している。研究グループは、増感色素で一般的なルテニウム金属錯体を用い、エックス線光電子分光などで吸着構造を解析した。するとルテニウム金属錯体は、金属錯体に吸着する性質の配位子が酸化チタンと強く作用することが分かった。
これまでの吸着構造モデルでは想定していなかったといい、別の色素を吸着すると相互作用を消失させることができた。
[0回]
PR
COMMENT