日刊工業新聞掲載日 2013年10月17日
ADEKAは3次元実装技術向けに銅メッキ用添加剤を開発したと発表した。半導体チップを積層するためのシリコン貫通電極(TSV)の形成に使う。現在は添加剤2―3種類を配合するが、新製品は1剤で済むため、作業効率改善や品質安定化につながる。販売時期は未定だが、2017年にも約50億円と予測される同添加剤市場でシェア5割を目指す。
開発した添加剤を使って電解銅メッキでTSVを形成したウエハー断面
TSVは半導体の縦方向に銅電極を形成する技術。新製品は穴を形成後に電解銅メッキにより極を形成する手法に使う。空洞や亀裂の発生を抑えるため、硫酸銅メッキ液に促進剤、抑制剤、平滑剤といった添加剤をユーザーが一定の比率で一般的に配合する。新製品は1剤でこれらの機能を含むようにした。
メモリー半導体などを縦に積層することで省スペース化と処理速度向上につながる。半導体の回路線幅の微細化による性能向上が限界を迎えつつあり、TSVなど3次元実装に関する技術開発が活発化している。
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