日刊工業新聞掲載日 2013年11月15日
大阪大学発ベンチャーのマイクロ波化学(大阪府吹田市、吉野巌社長、06・6170・7595)は電子部品の微小化に重要なレアアース(希土類)酸化物の超微粒子を、マイクロ波を使って製造するプロセスを確立した。従来は難しかったナノメートルサイズで大きさがそろい、薄膜円盤状であるため、添加・塗布により緻密な高機能材料の開発につながると期待される。岩谷産業が販売を担当し、まず酸化イットリウムでサンプル供給を始めた。
酸化イットリウムの微粒子は大きさがそろっている(マイクロ波化学提供)
微粒子は直径10ナノ―60ナノメートルで厚さ1ナノ―2ナノメートル。携帯電話に使う積層コンデンサーやLEDなどの小型電子部品に使う窒化アルミニウム、窒化ケイ素に添加する助剤として有望だ。微細で薄いため、緻密な膜形成などへの利用が見込める。セリウムやネオジムの酸化物も合成できる。
製造は電子レンジに使われる電磁波のマイクロ波を、別のイットリウム化合物溶液に照射して化学反応させる。原料物質がマイクロ波を吸収して反応液中で一気に核ができる。照射を止めると反応が即時に停止し、粒子の大きさがそろう。
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