日刊工業新聞掲載日 2013年12月16日
京都大学大学院農学研究科の豊原治彦准教授らの研究グループは、アース(仙台市青葉区)、東京産業などと共同で、ナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)の気泡が溶け込んだ「ナノバブル水」を用いて土壌や焼却灰から放射性物質のセシウムを分離する技術を確立した。京大とアースが共同で特許を取得。洗浄分離が困難な75マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の微粒子が多い農地などでの除染に生かしていく。
研究グループは汚染土壌をナノバブル水で洗浄した上で、特殊なサイクロンシステムを組み合わせて微粒子を効率よく分離・回収する手法を考案した。懸念される汚染土壌や焼却灰の減容化で発生する放射性物質の再溶出への対策は、不溶化効果がある吸着薬剤を使うことで防止するという。
作業員の被ばく対策にも配慮。設備に、不溶化した高濃度の放射性物質を安全に遮蔽(しゃへい)容器に格納させるための無人自動装置を組み込んだ。
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