日刊工業新聞掲載日 2013年11月22日
JFEスチールは21日、鉄鋼中の硫黄含有量を0・1ppm(1ppmは100万分の1)レベルまで分析できる装置を世界で初めて開発したと発表した。従来法に比べ、10倍以上精度を高めた。装置は西日本製鉄所福山地区(広島県福山市)内に設置した。ラインパイプ材など過酷な環境下で使用する低硫黄鋼の開発を促進する。
装置は独自の「高周波燃焼―紫外線蛍光法」を用いた。鉄鋼材料を急速に溶解し、硫黄分をガス化した後、ガスに紫外線を当てて放出する光を検出する。0・5ppmの硫黄をプラスマイナス0・1ppmの精度で分析できる。測定の迅速化と高精度化を両立し、脱水試薬の交換回数の低減などメンテナンス性も向上した。
硫黄は鉄鋼材料をもろくする性質がある。これまで硫黄含有量を数十ppmから数ppmレベルに低減した鉄鋼製品の技術開発を進めてきたが、硫黄を高感度に分析する技術が求められていた。
[0回]
PR
COMMENT