日刊工業新聞掲載日 2013年11月26日
【新潟】長岡技術科学大学は中部キレスト(大阪市阿倍野区)、日鉄住金ハード(東京都江東区)と共同で、従来方法に比べて低コストでセラミックスコーティングできる技術を開発した。金属錯体を原料に使い、フレーム溶射装置を用いて基材にセラミックス膜を形成する。数秒で厚さ数十マイクロメートルのコーティングができる。建造物の外壁への光触媒材料の塗布や、半導体製造装置内部部品の酸化イットリウムコーティングなどへの応用を期待している。
コーティングに用いるフレーム溶射装置
開発した新技術は原料にセラミックス粉ではなく、金属イオンと有機化合物で構成する金属錯体を採用し、フレーム溶射装置によるコーティングを可能にした。アセチレン・酸素フレーム(炎)か水素・酸素フレームの中に金属錯体を供給し、フレーム中で金属錯体を分解。金属が溶解、酸化して基材に飛び、膜が形成される仕組み。
ステンレス板に酸化イットリウム膜を形成する試験では4秒で厚さ9・5マイクロメートル、気孔率5%の緻密な膜を形成できた。
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