日刊工業新聞:掲載日 2013年10月23日
岡山大学の木之下博准教授と仁科勇太助教らの研究グループは、炭素原子が蜂の巣型に並んだシート状構造物のグラフェンが酸化された「酸化グラフェン」を水に分散すると、その水溶液が潤滑油よりも低摩擦であることを発見した。ステンレス材などの切削加工で潤滑剤の代わりに使えば、廃棄コストを大幅に下げられる。遠心分離で酸化グラフェンを回収する処理方法であれば、廃棄コストは半分程度になる可能性があるという。
1%の重さの酸化グラフェンを分散させた水の中で、ステンレスと超硬合金のタングステンカーバイドを使い摩擦試験を実施したところ、一般的に使われる水溶性潤滑剤に比べて摩擦の程度は2分の1小さかった。摩擦による抵抗の小ささを表す摩擦係数は、0・05だった。
また原料は炭素、水素、酸素なので環境負荷が小さく、廃棄物は燃やせるため処理コストも抑えられる。従来の潤滑剤は廃棄に要する高いコストが課題だった。
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