日刊工業新聞 掲載日 2013年10月21日
筑波大学の新関智彦助教(現東北大学)、柳原英人准教授、喜多英治教授らのグループは、量産に適した成膜手法であるスパッタリング法を使って、良質なコバルトフェライト単結晶薄膜を作ることに世界で初めて成功した。白金などの磁性材料に匹敵する強い垂直磁気異方性を持つため、安価で高性能なHDD記録媒体の実現につながる。
新関助教らは高エネルギー加速器研究機構の中尾裕則准教授、北海道大学の小池和幸教授らと共同で、これまで薄膜化が難しかった磁性材料のコバルトフェライトを、量産化可能な手法で高品位な薄膜にする技術を開発した。
この薄膜の磁気特性と結晶構造の評価を行ったところ、白金などの貴金属を含む磁性材料に匹敵する強い垂直磁気異方性を持つことを確認した。コバルトフェライトをひずませることで強い垂直磁気異方性が現れることは従来も予想されていたが、物性や構造の制御が難しく、実際に実現できた例はなかった。
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