日刊工業新聞掲載日 2013年11月27日
田中貴金属工業(東京都千代田区、岡本英彌社長、03・6311・5511)は26日、半導体部品などのメッキ加工で生じるシアン系メッキ廃液を無害化し、微量含有金属を回収する技術を確立したと発表した。従来の処理法よりも低温で廃液の濃縮物(スラッジ)を分解。シアン化合物をシアンガスとして分離させ、分解残さから廃液中に含まれる金や白金、パラジウムを回収する。分解温度が低いことで低コストで処理できるほか、溶融塩による炉の腐食を防げる。
処理の手順は、まずシアン系メッキ廃液を乾燥してスラッジにする。スラッジからシアン化合物をシアンガスとして分離し、分解残さと分ける。シアンガスは燃焼することで水と二酸化炭素と窒素に分解できる。残さはシアン化合物が分離されて毒性が低くなり、貴金属を容易に回収できる。
他の方法では高温での処理や大量の薬品を使うなど、高コストで環境負荷が大きいという。
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