<日刊工業新聞掲載日 2013年10月23日>
物質・材料研究機構の高分子材料ユニットは高分子の微細ナノ多孔体を開発、オイル吸着・脱着で高い性能を発揮することを確かめた。高分子と有機溶媒の相分離で、急冷により直径約10ナノメートルの細孔を実現した。水中溶解のオイル除去が活性炭より低コストで行えるため、油田やオイルサンド、シェールガスなど資源開発現場での環境汚染対策に利用できそうだ。
高分子多孔体の製造で一般的な相分離現象を利用した。高分子を有機溶媒に溶かし、マイナス196度Cで全体をガラス状に固化させる。次にマイナス80度Cにして有機溶媒だけ結晶化。溶媒置換法で結晶を溶かして除くと、3次元の構造体が出来上がる。
ガラス固化を毎分10度Cと急冷で行ったことで、微細孔の作製と1グラム当たり300平方メートル超の大きな表面積を実現した。
シートなどに加工できることから今後、実証試験に取り組む。
[0回]
PR
COMMENT