日刊工業新聞掲載日 2013年11月20日
三菱化学が2015年度の量産を目指す有機薄膜太陽電池を使った実証試験が本格化してきた。首都高速道路は代々木パーキングエリア(東京都渋谷区)の休憩施設の窓を使った実証試験を月内に開始。竹中工務店は室内へ差し込む日射を調整する羽板の受光面に有機薄膜太陽電池を取り付けたルーバーの実証試験に入った。
竹中工務店が実証試験を始めた有機太陽電池一体型ルーバー
従来は不可能だった高層ビルの窓を使った太陽光発電として需要増が見込めるだけに、発電性能や強度向上といった実用化に必要な技術開発が実証で進むことになる。(水嶋真人)
有機薄膜太陽電池は有機半導体材料をプラスチックや金属などの薄い基板に塗布して製造する。透明な樹脂フィルムに塗布すれば厚さが1ミリメートル以下と薄くて軽く、折り曲げ可能で光を透過する太陽電池を作成可能。
高層ビルの表面積の大部分を占める垂直面で太陽光発電が可能になり、北面以外のビル窓に設置すれば25階建てのビルで一般家庭約200軒分の電力を発電できる見通しだ。
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