日刊工業新聞 掲載日 2013年10月10日
【京都】島津製作所は9日、粘性土壌に浸透した揮発性有機化合物(VOC)を浄化する技術を開発したと発表した。既に引き合いがあり、2014年度にも商用ベースで土壌浄化に適用する。地盤に電極を挿入して地盤を加温する工法で、微生物などを利用する他の工法とも併用できる。次期中期計画の最終年度には10億円程度の事業規模としたい考え。
同技術では地盤に井戸を掘削し設置した電極に三相交流の電源で電圧を加える。3本の電極の間の土壌が抵抗となりジュール熱で土壌温度が上昇し、粘性土壌などに強く吸着しているVOCが揮発し地下水へとけ込む仕組み。
VOC濃度が高い地下水をくみ出すことで効率的に浄化できるのが特徴だ。電極井戸とVOC回収のための井戸は併用でき、井戸のケーシングには絶縁処理した一般鋼管を利用することで処理コストを抑えた。
一般的な浄化処理費用とされる1立方メートル当たり2万―5万円に収まると想定する。
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